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「ごぼう抜き」&「20人を周回遅れ」異次元の走りで大注目の大学生ランナー不破聖衣来、飛躍のワケとは(2022年5月7日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース

駅伝での“ごぼう抜き”や10000mで“20人を周回遅れ”にするなど、異次元の走りで大注目の大学生ランナー・不破聖衣来(19、拓殖大2年)を高橋尚子キャスターが取材。飛躍のワケに迫った。高橋キャスターとの共通点、それは“恩師・小出義雄監督”だった。

19歳のニューヒロイン 初の10000mで日本歴代2位


日本陸上界に新たなヒロインが誕生しました。
昨年12月の富士山女子駅伝では10人、そして今年1月の都道府県対抗駅伝ではなんと13人を“ごぼう抜き”。
【不破選手成績】
■2021年
10月 全日本大学女子駅伝  6人抜き
11月 東日本女子駅伝  2人抜き
12月 富士山女子駅伝  10人抜き
■2022年
1月  都道府県対抗女子駅伝 13人抜き
さらに初挑戦の10000m(関西実業団ディスタンストライアル)でも20人を周回遅れにする異次元の走りで日本歴代2位の30分45秒21をマーク。
世界陸上オレゴンの派遣標準記録も突破し、注目される存在となりました。
高橋キャスター:
初めての10000m挑戦で30分45秒21、すごい記録ですよ。この“30分45秒”は感覚としてどんな感じだったんですか?
不破選手:
早く終わったなっていう感覚はあったんですけど、すごく今日感じがいいなって言うのもあって、結果的に30分台が出せそうだと思った時は、どんどん行こうと思いました。

共通点は“小出義雄監督”


この活躍を裏で支えたのは拓殖大の五十嵐利治監督(41)。
私(高橋キャスター)の恩師でもある小出義雄監督(2019年4月に80歳で死去)の下でコーチとして経験を積み、選手の特徴を引き出す指導法を学びました。
五十嵐監督:
いつも小出監督と一緒にいさせてもらって、(小出監督は)選手に声をかけるときってプラスのことしか言わないんですよね。監督として絶対大丈夫だよって、私がしっかりしていないと選手に不安に思わせてしまうとだめなので。
小出監督(2000年のトレーニング)
「はーい。Qちゃん頑張れ!」
「おーし!いい練習できてる!」
小出監督は、褒めて伸ばす指導法。明るい人柄で選手を盛り立ててくれました。
その小出イズムを五十嵐監督も受け継いでいます。
五十嵐監督
「聖衣来いい動きしてるよ。行けたら行っていいよ!」
高橋キャスター:
不破さんから見て五十嵐監督の存在ってどんな存在ですか。
不破選手:
思うように走れない時に相談とかするんですけど「メダルを目指す選手になるんだからこんなところで終わらない選手だよ」って声をかけてくださるので、そこがいつもモチベーションになってます。

「やることもやらないで『やめておこう』では成長はない」

4月17日。世界陸上代表選考会前、最後のレース(日本学生陸上競技個人選手権)に挑んだ不破選手。
しかし、まさかの事態が・・・
世界陸上代表選考会まで1か月を切る中、腰や右アキレス腱周辺の痛みで約2か月間、万全な練習が出来ていませんでした。
それでも大一番を前に実戦の雰囲気を感じたい不破選手が出場を申し出ると、五十嵐監督はある約束を条件に、受け入れました。
五十嵐監督:
まず、出ようと決めたのは、大会の1週間前。その1週間の中で、痛みが出ない事。それを守れるならいきた練習になるから出場してみよう。
五十嵐監督:
小出監督が言っていたことで「練習ってその子にあった練習を探らなきゃダメなんだ」って。100%やれることを努力させてダメだったら納得できるけど、やることもやらないで「やめとこう」じゃあの子の成長はないと思うんですよ。
だからこそこの前の練習で走らせたし最後の最後まであきらめずにやるってのはそこにあるんですよ。
小出監督から継承した選手を信じる選択。女子5000mの結果は12位(17分30秒45)と最下位でしたが、不破選手は確かな手応えをつかんだようです。
不破選手:
日本選手権(5月7日、3位以内に入れば世界陸上代表内定)まであまり期間がなくて、思いきり動かすことが怖いところもあったんですけど、走っている時はそういうのを一切気にしないで走ることができて、吹っ切れたかなというふうに感じたので収穫はありました。
信頼できる監督と二人三脚。2人が描く未来予想図は?
不破選手:
次の2024年パリ五輪はまずトラック種目で出場したいっていうのがあるんですけど、その次の28年ロサンゼルス五輪からはマラソンとかにもチャレンジして、金メダルっていうのは目標なので、監督と自分を信じて一日一日頑張っていきたいと思っています。
五十嵐監督:
これも小出監督からよく言われていたんですけど、「本当に好きな気持ち持って、一生懸命やると、お天道様が良い選手に巡り合わせてくれるんだ」って。「俺は50年間こんな馬鹿なことやったから、『もう小出、そろそろQちゃんと巡り会わせてあげるよ』って言って、巡り合わせてくれたんだ」っていうのをずっと言ってたんですよ。小出監督が「お前も絶対いつか良い選手に巡り会えるから」って、ずっと言ってくれて。
長期的なプランからすれば、ロスの五輪でマラソンで金メダルを取るっていうことを1番の目標としてやっているんですけど、当然2028年に向けて、これからずっとやるべきことがあって、そのためにも24年のパリ、世界陸上や大学の駅伝、インカレであったりっていうのがあるんですけど、最終的にオリンピックで金メダルを取るためにいろんな部分で、彼女のステップになっていけるような大会にしてもらえたらいいなと。私も全力でサポートをしなきゃいけないと思っているんですよね。

飛躍のワケは監督お手製の“レバー煮”


国山ハセンキャスター:
昨年の大きな飛躍には何か理由があるのでしょうか。
高橋キャスター:
練習内容を聞いたのですが決してハードなものではないんですね。大きな変化は食事です。元々食が細くて貧血に悩んでいた不破選手ですが五十嵐監督が作ったレバー煮を毎食食べるようにして食事の量も倍にしたそうなんです。思えば私も現役時代、毎食レバーを食べることは強さへの義務だと思っていました。そんな土台づくりが飛躍につながりましたね。
小川彩佳キャスター:
高橋さんが思う不破選手の魅力はどんなところでしょうか。
高橋キャスター:
一つあげるなら未知なる可能性ですね。彼女が目標に掲げた6年後の『ロス五輪 女子マラソン金メダル』(色紙に書かれた目標)。不破選手曰く、今この10%の地点だそうです。去年の素晴らしい記録はこの土台のみで出したもの。是非皆さんにはこれからも長い目で注目、応援をしてもらいたいと思います。

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