【テンピ(米アリゾナ州)25日(日本時間26日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(27)が、メジャー5年目で初の大役を務める。マドン監督から今季の開幕投手に指名され、4月7日(同8日)本拠地でのアストロズ戦に、投打の二刀流で出場する見込みだ。元祖二刀流のベーブ・ルースは3度の開幕投手で本塁打なし。開幕戦を楽しく観戦するための3つのポイントを挙げる。

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メジャー開幕と同時に、二刀流大谷の勇姿が見られる。最有力とされていたエンゼルスの開幕投手はやはり、大谷だった。マドン監督は「ショウヘイ・オオタニが開幕戦に登板する。皆にとっても楽しみだね」と公表した。投打での出場も「もちろんだ」とし、リアル二刀流でショータイムが開幕。楽しみな初戦となりそうだ。

楽しみ(1)「ルース超え」 今年もいきなり歴史に挑む。野球の神様と呼ばれるベーブ・ルースは16~18年の3度、開幕投手を務めた。通算3勝0敗(2完投)で圧倒的な結果を残した一方で、打者では9打数2安打1打点で本塁打0。「勝利投手&本塁打」となれば快挙達成となる。今季は短縮キャンプで調整登板が少ないこともあり、開幕戦ではある程度、球数の制限が必要。ただし、降板後もDHで出場できる「大谷ルール」が、シーズン初戦で採用される可能性もある。

楽しみ(2)「自己最速更新」 直球のスピードにも注目だ。昨季は4月4日の開幕4戦目に初登板し、100マイル(約161キロ)超えを連発。その試合でマークした101・1マイル(約163キロ)が昨季の自己最速となった。メジャーでの最速は昨年3月21日、キャンプ開始から約1カ月後のオープン戦で記録した101・9マイル(約164キロ)。今年は3月14日にキャンプインし、開幕戦まで約1カ月足らずだが、状態が万全の時期に自己最速を更新する可能性はある。

楽しみ(3)「難敵克服」 立ちはだかる壁は宿敵アストロズ。過去4年間、5度の対戦で0勝2敗、防御率6・26と分は悪い。ア・リーグ西地区で唯一、未勝利の相手だが、右肘のトミー・ジョン手術から3年が経過し、本格化が期待されるいまなら、強打者たちを圧倒する姿も想像できる。

打順についてマドン監督は「1番」か「2番」を想定しており、開幕戦で「1番投手」となれば近年のメジャーでは史上初。二刀流の開幕投手・大谷翔平-。見どころ満載だ。